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大阪府生活環境の保全等に関する条例の改正素案
(石綿飛散防止対策の制度化)パブリックコメント資料
[資料]2005.8大阪府
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<構成>
第1 条例改正の趣旨
第2 条例改正の基本方向
第3 改正事項の概要
1 適用対象の拡大
2 事前調査の義務付け
3 石綿排出等作業の実施の届出
4 作業実施基準
5 計画変更命令
6 敷地境界基準
7 作業実施基準適合命令等
8 発注者等の配慮
9 報告及び検査
10 公表
11 罰則
第1 条例改正の趣旨
石綿(アスベスト)は、高温に耐え、化学薬品にも強く、断熱性、保温性、防音性、電気絶縁性にも優れた性質を持っている物質である一方、かつては安価に大量に入手できる材料でした。このため、断熱・防音等の目的で、化学工業等の製造設備、自動車部品、機械設備等の産業用はもとより、建築物等においても、昭和30年代から広範囲で大量に使用されてきました。
一方、石綿の有害性については、昭和47年(1972年)の国際労働機関(ILO)、世界保健機関(WHO)の専門家会合で発がん性についての指摘があり、これを多量に吸入すると、15〜40年の長期間を経た後に「中皮腫」等を発症することが知られ、その使用がこれまで段階的に禁止されてきたところです(吹付け石綿:昭和50年に施工禁止、成形板:平成16年10月に製造禁止)。
こうした中、本年6月下旬、石綿使用製品を製造していた工場の周辺に長期間居住していた住民に中皮腫発症者が存在することが公表され、社会問題となったことから、府民の間でも、石綿による健康被害に対する不安・懸念が高まっています。
現在、石綿に対しては、労働者の健康保持のための作業環境の確保の観点で「労働安全衛生法」により規制が行われ、住民の健康保護及び生活環境の保全の観点から「大気汚染防止法」及び「大阪府生活環境の保全等に関する条例」により規制が行われています。
しかしながら、建築物の解体等に伴い飛散する石綿に対する「大気汚染防止法」に基づく規制は対象が限定されており、建築物の解体等により飛散する石綿に対する府民の不安や懸念を払拭するには不十分であると考えます。
府域においては、石綿が使用されていると考えられる昭和30年代以降に建築された建築物が建築後30〜60年を経過し、その耐用年数を迎えることから、石綿を排出するおそれのある建築物の解体等の作業がこれから大幅に増加すると見込まれます。
このため、大阪府では、建築物の解体等により飛散した石綿による大気汚染を防止し、府民が抱いている石綿の飛散についての不安を解消し、府民の健康を守るため、解体等の作業において「大気汚染防止法」で規制対象外となっている建築物等への拡大や敷地境界基準の設定などを内容とする「大阪府生活環境の保全等に関する条例」の改正を行うこととしました。
本資料は、その考え方を整理し、とりまとめたものです。
第2 条例改正の基本方向
「大阪府生活環境の保全等に関する条例」(以下「条例」といいます。)の改正に当たっての基本的考え方は、次のとおりです。
建築物その他の施設の解体、改造、補修時における石綿飛散防止対策を強化・充実し、府民の健康を守り、府民の不安を解消する。
この基本的考え方に基づいた条例改正の要点は以下のとおりです。
@ 建築物その他の施設の解体等の作業に対する規制の対象を拡大する。
規制対象: 「大気汚染防止法」の規制対象(延べ面積500u、石綿吹付け面積50u)未満も対象
対象建材の追加
(石綿を含有する保温材、耐火被覆材、断熱材、成形板)
工作物等の追加
A 建築物その他の施設の解体等の作業において石綿飛散防止対策の実施を確認する手続きを充実する。
具体例: 事前調査の義務付け
届出事項の追加(石綿濃度測定計画等)
基準適合命令・罰則規定
B 建築物その他の施設の解体等の作業に係る基準を強化する。
具体例: 作業内容を示す表示板の設置
石綿含有成形板に係る作業基準の設定
石綿濃度の測定
敷地境界基準の設定
第3 改正事項の概要
1 適用対象の拡大
石綿含有建築材料が使用されている建築物その他の施設を解体し、改造し、又は補修する作業は、すべて条例の適用の対象とします。
(考え方)
○「大気汚染防止法」では、延べ面積が500u以上の耐火建築物又は準耐火建築物で、吹付け石綿の使用面積の合計が50u以上である建築物を解体、改造又は補修(以下「解体等」といいます。)する作業を規制対象としています。
改正条例では、この規模要件で除外されるものについても吹付け石綿を使用していれば、すべて対象とします。
○ 改正条例が対象とする「石綿含有建築材料」には、石綿を発生し、又は飛散させる原因となる建築材料として、吹付け石綿のほか、石綿含有保温材、石綿含有耐火被覆材、石綿含有断熱材及び石綿含有成形板を含むこととし、今後改正する「大阪府生活環境の保全等に関する条例施行規則」(以下「施行規則」といいます。)により規定します。
石綿含有成形板は、非飛散性のものですが、使用に伴い劣化していることなどが考えられ、解体等の作業の方法によっては石綿が飛散するおそれがあることから対象に追加します。
○「建築物その他の施設」とは、「建築基準法」で規定する建築物(耐火建築物・準耐火建築物以外のものも含みます)のほか、鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設、その他の工作物も対象に含めます。以下、本資料では「建築物等」と記載します。
○ 以上により、建築物等の種類、規模や構造などによらず、石綿含有建築材料が使用されている建築物等を解体、改造し、又は補修する作業で、大気汚染防止法の対象以外のものはすべて改正条例の対象とします。
2 事前調査の義務付け
建築物等の解体等の工事を施工しようとする者に対し、当該建築物等における石綿含有建築材料の使用の有無等を事前調査し、その結果を表示することを義務付けます。
(考え方)
○ 建築物等に石綿含有建築材料が使用されているか不明のまま解体等の作業を実施した場合、適切な飛散防止対策が講じられず、大気中へ石綿を飛散させ、周辺住民の健康に害を及ぼすおそれがあります。確実に石綿の飛散防止を図るためには、事前に石綿含有建築材料の使用の有無を確認し、使用されていた場合は、その種類や箇所等を把握した上で、石綿を飛散させずに解体等を行うための適切な作業方法を選択することが必要です。
このため、建築物等の解体等の工事を施工しようとする者に対して、事前調査を義務付けます。事前調査は、石綿の使用の有無や量及び箇所を確認することを目的としているため、すべての解体等作業について行う必要があります。
なお、ここでいう「建築物等の解体等の工事を施工しようとする者」とは、解体等工事の元請業者をいいます。
○ 解体等される建築物等の建築材料に石綿が使用されているかどうかを一般府民が判定することは極めて難しく、府民の間に、解体等の作業に伴い石綿が飛散しないかという不安が高まっていることを踏まえ、府民の不安解消を目的として事前調査結果の表示の義務付けを行います。なお、石綿の使用があった場合には、後述のとおり、実施する飛散防止対策等をあわせて表示することを義務付けることにより、府民の不安解消を図ります。
○ 知事は、事前調査の実施及び結果の表示が確実に行われ、府民の不安解消の目的が達せられるよう、事前調査結果の表示をしていない場合に、建築物等の解体等の工事を施工しようとする者に対し表示を行うよう勧告することができるとともに、必要に応じて事前調査の結果の報告を求めることができるものとします。
3 石綿排出等作業の実施の届出
石綿含有建築材料が使用されている建築物等を解体等する作業(以下「石綿排出等作業」といいます。)を伴う建設工事を行う場合、その工事を施工しようとする者に事前の届出を求めます。
(考え方)
○ 「大気汚染防止法」では、法対象の建築物を解体等する作業を施工する者は、その作業の開始の日の14日前までに知事に届け出なければならないとしています。改正条例において新たに対象とする建築物等の解体等の工事を実施する場合にも、その作業の内容が石綿排出等作業を行う場合の基準(以下「作業実施基準」といいます。)に適合するものであるかどうかを事前に確認するため、石綿排出等作業を伴う建設工事を施工しようとする者に対し、石綿排出等作業の開始の日の14日前までに必要事項の届出を求めます。
○ 届出事項については、「大気汚染防止法」により届出が求められている事項に加えて、敷地境界における石綿の濃度の測定が必要な場合、その測定計画についても届出を求めます。
○ なお、非飛散性の石綿含有成形板については、解体等の作業時に石綿が飛散するおそれがあることから、その飛散リスクを考慮して一定規模以上の場合には届出が必要とします。
○ 事前の届出による適切な作業実施の確認を担保するため、必要な届出を行わなかった場合や虚偽の届出を行った場合の罰則規定を設けます。
4 作業実施基準
石綿排出等作業に係る規制基準(「作業実施基準」)として、作業の方法に関する基準を定め、石綿排出等作業を伴う建設工事を施工する者が、この基準を遵守することを義務付けます。
(考え方)
○ 大気中への石綿の飛散防止を図り、石綿の飛散に対する府民の不安を解消するために、石綿排出等作業に係る規制基準として、作業実施基準を定め、石綿排出等作業を伴う建設工事を施工する者に遵守を義務付けます。
○ 作業実施基準については、次の事項を施行規則において定めることとします。
@石綿排出等作業を行う敷地の入口での表示板の設置
A石綿の飛散を防止するための措置
B集じん・排気装置を設置した場合、その良好な運転管理
C石綿を含む水を排出する場合、その適正な処置
D石綿排出等作業に従事する者に対する教育
E敷地境界における石綿濃度の測定(石綿含有成形板のみの場合を除く)
○ Aの石綿飛散防止措置については、次のとおりとします。
・吹付け石綿や、石綿を含有する保温材・耐火被覆材・断熱材が使用されている場合
⇒作業場の隔離、石綿含有建築材料の薬液等による湿潤化、散水、囲い込み、封じ込め等の措置
・使用されている石綿含有建築材料が石綿含有成形板のみの場合
⇒飛散防止幕の設置、散水、原則手作業による解体、作業場内における切断作業の回避等の措置
5 計画変更命令
知事は、届出のあった石綿排出等作業の実施内容では作業実施基準に適合しないと認めるときは、その計画の変更を命ずることができるものとします。
(考え方)
○ 作業実施基準を満足しないままで石綿排出等作業が実施された場合、当該工事により大気中に石綿を飛散させ、その結果、周辺住民の健康を害するおそれがあり、速やかに改善を図る必要があります。
○ このため、事前に届出のあった作業内容では作業実施基準を遵守することができないと認めるときに、知事は、石綿排出等作業を伴う建設工事を施工しようとする者に対して、計画の変更を命じ、作業実施基準に従って作業を実施するよう求めることができるものとします。
なお、命令による改善を担保するため、命令に従わない場合の罰則規定を設けます。
6 敷地境界基準
敷地境界における石綿濃度の許容限度を定め、石綿排出等作業を伴う建設工事を施工する者が、この基準を遵守することを義務付けます。
(考え方)
○ 石綿排出等作業を伴う建設工事による大気中への石綿飛散を防止するため、石綿排出等作業を伴う建設工事を施工する者が遵守すべき基準として、「大気汚染防止法」では定めのない敷地境界基準について新たに設定します。
○ 敷地境界基準は、石綿排出等作業も当該作業を行う敷地内から石綿を飛散させるおそれがある行為である点では石綿に係る特定粉じん発生施設を設置している工場(石綿製品製造工場)と同じであることから、石綿に係る特定粉じん発生施設を設置している工場の敷地境界基準と同様に空気中1リットルあたり10本の基準を設けます(施行規則において規定します)。
7 作業実施基準適合命令等
知事は、石綿排出等作業が実施されている場合に、作業実施基準や敷地境界基準を遵守していないと認めるときは、当該作業を伴う建設工事を施工する者に対し、作業実施基準や敷地境界基準に従うことを命じ、又は作業の一時停止を命ずることができることとします。
(考え方)
○ 石綿排出等作業が作業実施基準や敷地境界基準に適合していない状態で実施されている場合、当該工事により大気中に石綿を飛散させ、その結果、周辺住民の健康を害するおそれがあり、速やかに改善を図る必要があります。
○ このため、石綿排出等作業において作業実施基準や敷地境界基準が遵守されていないと認める場合に、知事は、当該作業を伴う建設工事を施工する者に対して、作業方法を改善し作業実施基準に従って作業を実施することや、作業実施基準に従った作業が可能となるまで石綿排出等作業を一時停止することを命ずることができるものとします。
なお、命令による改善を担保するため、命令に従わない場合の罰則規定を設けます。
8 発注者等の配慮
発注者等に対し、以下の配慮規定を設けます。
@ 発注者は、その注文にあたり、当該建築物等における石綿含有建築材料の使用の有無等に関する情報の提供に努めること
A 注文者は、施工方法、工期等について、作業実施基準の遵守を妨げるおそれのある条件を付さないよう配慮すること
(考え方)
○ 発注者(注文者のうち、その仕事を他の者から請け負わないで注文している者をいいます。)が設計図書等の当該建築物等に関する情報を有する場合、その情報は事前調査において非常に有益であることから、事前調査が正確かつ円滑に実施されるよう、発注者は建築物等を解体等する作業を請け負った者に対し、必要な情報を提供することが求められます。
○ また、石綿排出等作業に係る規制措置は、その作業を施工する者に対して行われるものですが、施工者が行う建築物等の解体等の作業内容は契約条件に多分に左右されると考えられます。このため、作業実施基準や敷地境界基準の遵守を確保するためには、注文者が本条例の趣旨や規定について十分に理解し、作業実施基準や敷地境界基準の遵守に妨げとならない内容(施工方法や工期、施工に要する費用等)で施工契約を締結する必要があることから、注文者の配慮を規定するものです。
9 報告及び検査
知事は、石綿排出等作業の実施状況等について、その作業を伴う建設工事の施工者に対し報告を求めることができるものとします。
また、職員に、石綿排出等作業の場所等に立ち入り、検査させることができるものとします。
(考え方)
○ 知事は、建築物等の解体等に伴う石綿の飛散防止対策を確実に実施させるために、従来の大気汚染や水質汚濁の防止等の規制指導の場合と同様に、建築物の解体等の作業について、石綿排出等作業を伴う建設工事を施工しようとする者又は施工する者に対し、事前調査の結果、石綿排出等作業の実施状況、敷地境界における石綿濃度測定の結果等の報告を必要に応じて求めることができることとします。
また、職員に、石綿排出等作業の場所や当該作業の施工者の営業所などに立ち入り、作業内容や関係書類などの検査をさせることができることとします。
10 公表
必要な届出をせず、又は虚偽の届出を行った者、計画変更命令に違反した者及び作業実施基準適合命令等に違反した者があると認められるときは、知事は、府民の不安を解消するために、その旨を公表することができることとします。
(考え方)
○ 条例で規定している届出をしない又は虚偽の届出をする、あるいは計画変更命令や作業実施基準適合命令等に違反して行う石綿排出等作業では、その作業の実施によって、大気中に石綿を飛散させるおそれがあります。
このため、府民に健康に留意する必要がある旨を呼びかけることを目的として、条例の規定に違反した石綿等排出作業が行われている、あるいは行われた事実を必要に応じて公表することができることとします。
11 罰則
11−@ 無届等に対する罰則
石綿排出等作業を実施する際に必要となる事前の届出を行わなかった者又は虚偽の届出を行った者に対し、罰則規定を設けます。
(考え方)
○「大気汚染防止法」では、法対象の建築物を解体等する作業を実施する際に必要となる事前の届出を行わなかった者又は虚偽の届出を行った者に対して、3月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する旨定めています(第34条)。
改正条例においても、事前届出制度の適正な実施による作業実施基準の遵守を担保するため、事前の届出を行わなかった者又は虚偽の届出を行った者に対して、「大気汚染防止法」と同趣旨の罰則規定を設けることとします。
11−A 計画変更命令違反又は作業実施基準適合命令等違反に対する罰則
知事が行う計画変更命令又は作業実施基準適合命令等に違反した者に対し、罰則規定を設けます。
(考え方)
○「大気汚染防止法」では、法対象の建築物を解体等する作業に対する計画変更命令又は作業基準適合命令等に違反した者に対して、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する旨定めています(第33条の2)。
改正条例においても、石綿排出等作業における作業実施基準や敷地境界基準の遵守を担保するため、石綿排出等作業に対する計画変更命令又は作業実施基準適合命令等に違反した者に対して、「大気汚染防止法」と同趣旨の罰則規定を設けることとします。
11−B 虚偽の報告等に対する罰則
知事が求めた報告を行わず、又は虚偽の報告をした者、立入検査を拒否・妨害又は忌避した者に対し、罰則規定を設けます。
(考え方)
○「大気汚染防止法」では、法対象の建築物を解体等する作業に関して、知事が求めた報告を行わず又は虚偽の報告をした者、立入検査を拒否・妨害又は忌避した者に対して、20万円以下の罰金に処する旨定めています(第35条)。
改正条例においても、石綿排出等作業に関する報告・検査の適切な行使を担保するため、報告を行わず又は虚偽の報告をした者、立入検査を拒否・妨害又は忌避した者に対して、「大気汚染防止法」と同趣旨の罰則規定を設けることとします。 |
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