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アスベスト(石綿)対策 〜国の規制と最新動向

 [MENU](2007.3.28更新/2005.8.20作成)
  ●アスベスト対策に関する国の規制内容 2007.3.28
   規制内容をわかりやすく再構成しました!
  ●アスベスト対策に関する国の最新動向 2006.8.26


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▼国の規制内容  2007.3.24


法令名 規制概要

石綿による健康被害の救済に関する法律
通称「アスベスト新法」。2006年2月10日公布、3月27日施行。
アスベストによる健康被害の特殊性にかんがみ、アスベストによる健康被害に係る被害者等の迅速な救済を図ることを目的とし、アスベスト被害者に対して医療費、療養手当、葬祭料、特別遺族弔慰金の救済給付を行う。
支給に要する費用等は、全事業主から徴収するとともに(労働保険を活用)、アスベスト関連企業から特別に徴収する二本立て。

労働安全衛生法
アモサイト、クロシドライト、所定の製品でアスベスト含有率1重量%を超えるものの製造を禁止。
当分の間製造等が許可される製品については名称等の表示や文書の交付等が義務づけられる。
その他、健康管理手帳の交付、計画の届出等を定める。

石綿障害予防規則
解体工事等に従事する労働者などの健康被害を防止する観点から規制。

[規制対象]
(1)建築物等の解体等の作業、(2)封じ込め・囲い込みの作業をするとき、事業者などが規制対象となる。

[規制内容]
(1)事前調査・記録(40年間保存)
(2)作業計画の策定
(3)14日前〜工事開始前までに労働基準監督署へ提出
(4)作業者への特別教育
(5)石綿作業主任者の選任
(6)保護具の使用・管理、保護具・器具等の持ち出し禁止
(7)作業時の湿潤化
(8)作業場の隔離・立ち入り禁止、掲示版の設置
(9)発注者による情報提供、配慮
(10)労働者が就業する建物で吹き付けアスベストの暴露のおそれがある場合は除去などの措置をとること
(11)労働者の健康診断の実施、報告書を労働基準監督署へ提出

作業環境測定法 作業環境の測定に関して、必要な事項を定める。

じん肺法 粉じんを吸入することによる疾病「じん肺」の予防等について定める。

大気汚染防止法
アスベストについて、(1)アスベスト製品の製造工場と、(2)建築物の解体工事などを規制。
アスベスト製品の製造工場は、(1)施設設置などの届出を義務づけられ(設置届60日前)、(2)敷地境界線での大気中濃度の基準を順守する(1リットルにつきアスベスト繊維10本)。

建築物の解体工事などには次の規制がある。

[規制対象]
・規制対象となる工事は、
(1)吹き付けアスベスト、
(2)アスベストを含有する断熱材、保温材、耐火被覆材
―の建築材料が使用されている建築物や工作物を解体、改造、補修する工事。

[届出義務]
・工事の施工者は、工事開始14日前までに都道府県へ届出すること。

[作業基準の順守]
・工事の施工者は、次の作業基準を順守すること。
(1)掲示板の設置
(2)工事の内容に応じた作業基準(4種類に場合分け)
 ※例:掻き落とし、切断、破砕する場合には、隔離、負圧、集じん排気装置使用、湿潤化などを実施すること。

[注文者の配慮義務]
・工事の注文者は、工事施工者が作業基準を順守できないおそれのある条件を付さないよう配慮すること。

なお、解体作業について、施行令等を一部改正し、規制対象となる建築材料を追加、作業の規模要件を撤廃(2006年3月〜)。また、法等を一部改正し、工場プラント等の「工作物」の解体も規制対象となる解体作業に拡大した(2006年10月〜)。

公害防止組織整備法 正式名称は「特定工場における公害防止組織の整備に関する法律」。
特定粉じん施設を設置した場合の公害防止管理者の選任について定める。

廃棄物処理法
正式名称は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」。
アスベスト含有廃棄物について、スレート等の成形品のアスベスト含有廃棄物は産業廃棄物として位置づけ、建築物から除去された吹き付けアスベスト等の廃棄物は特別管理産業廃棄物として位置づけ、それぞれに処理基準が適用される。
この他、アスベスト廃棄物の溶融による無害化処理を促進・誘導する国の認定特例制度がある。

建設リサイクル法 正式名称は「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」。

[規制対象]
特定建設資材(コンクリート、アスファルト・コンクリート、木材)を用いた建築物等の解体工事などで、一定規模以上の工事
 ※一定規模:解体工事は床面積合計80平方メートル以上、修繕・リフォーム工事は請負代金1億円以上

[規制内容]
(1)解体工事等の7日前までに計画を届出など

(2)アスベスト対策としては、吹付けアスベストなど特定建設資材に付着したものの有無の調査、分別解体等の計画作成、付着物の除去などの措置を講じなければならない(施行規則2条1項)。

建築基準法
[規制対象]
次の「吹付け石綿等」。
 ・吹き付けアスベスト
 ・重量の0.1%を超えてアスベストを含有する吹付けロックウール

[規制内容]
(1)建築物において、吹付け石綿等の建築材料を使用しないこと(※)。
 ※特定行政庁による勧告・命令(法10条)、定期調査・報告(法12条1項・2項)、特定行政庁による報告徴収・立入検査(同条5項・6項)、定期報告概要書の閲覧(法93条の2、法施行規則11条の4)が適用される。

(2)吹付け石綿等のある既存建築物は、増改築、大規模修繕・模様替の際に、原則として、吹付け石綿等を除去すること(ただし、従前の床面積の2分の1を超えない増改築及び大規模修繕・模様替については、当該部分以外の部分については、封じ込め及び囲い込みの措置を許容される)。

(3)工作物についても、石綿に関する規制の適用については建築物と同様に行うこと。

PL法 正式名称は「製造物責任法」。
(社)日本石綿協会では、同法への対応として、「石綿の健康影響の視点から石綿含有率1重量%を超えるすべての製品に“a”マークを自主的に表示する」ことを定めている。

PRTR法 正式名称は、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」。
石綿と石綿を0.1質量%以上含有する石綿製品を第一種指定化学物質に位置づけ、製造業や21名以上の会社、石綿を0.5t/年使用しているものに対して石綿の排出・移動量を国に報告することを定めている。


備考
アスベスト対策に関する国の規制内容が一覧化されたわかりやすい資料はなかなかありませんが、現在Webで見ることのできる資料でもっともよくできている資料として、(社)日本石綿協会の法規制マニュアル「石綿に係る法規等 −石綿・石綿製品を取り扱う立場から」[PDF](2006年12月版)が挙げられます。また、大気汚染防止法の解説については、環境省の「建築物の解体等に係る石綿飛散防止対策マニュアル」の第2章に詳しく記載されています。

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▼国の最新動向


[最新動向の概要] 2006.8.26

▼概要(経緯)
 国は2004年に「石綿障害予防規則」を制定し(2005年施行)、その後新たな法規制を行う考えは当初なかったようですが、アスベストの被害が社会問題化したことに伴い、新法をつくるとともに、関連法令の改正に動き出しはじめました。

◇2005年7月29日
 アスベスト問題に関する関係閣僚による会合が開催され、「アスベスト問題への当面の対応」がまとめられました。

◇2005年8月19日
 国土交通省は8月19日、社会資本整備審議会建築分科会においてアスベスト対策部会を設置しました。ここでは、建築基準法令によるアスベスト建材の規制のあり方に関する検討、その他のアスベスト対策の検討を行っています。

◇2005年8月26日
 アスベスト問題に関する関係閣僚による会合が開催され、7月29日にとりまとめられた「アスベスト問題への当面の対応」が改訂されました(下記に法規制の変更の可能性がある記述を抜粋してあります)。次期通常国会へ向けて、労災補償を受けずに死亡した労働者、家族及び周辺住民の被害補償のための新法が提案されることになりました。
 →「アスベスト問題への当面の対応(改訂)」(法規制を中心に要約)

◇2005年9月12日
 官房長官の記者会見では、総選挙後の特別国会への新法案の提出は間に合わず、通常国会への提出をめざして法案の内容を詰めることが明らかになりました。
 なお、これとは別に、その通常国会では、建築基準法の一部改正を行い、建築物で使用されている吹き付けアスベストの飛散防止・除去を所有者に義務づける方針を固めました。

◇2005年9月29日
 アスベスト問題に関する関係閣僚会合(第3回)が開催されました。労災補償を受けずに死亡した労働者、家族及び周辺住民の被害補償のための新法については、「石綿による健康被害の救済に関する基本的枠組み(案)」を発表しました(次期通常国会へ提出予定)。
 →「石綿による健康被害の救済に関する基本的枠組み(案)」(概要)

◇2005年10月3日
 アスベストの全面禁止措置は2006年度に行われることになっていたことについて、『北海道新聞2005.10.4』によれば、厚生労働相は2006年度内に前倒しすることを明らかにし、さらに10月3日の衆院予算委では、年内にも前倒し実施する考えを示唆したそうです。

◇2005年11月11日
 環境省では、大気環境中へのアスベストの飛散防止対策の一層の推進を図るため、大気汚染防止法施行令及び大気汚染防止法施行規則の一部を改正し、建築物の解体等におけるアスベスト飛散防止対策を強化するために検討会を設置してきたましたが、「建築物の解体等における石綿飛散防止対策の強化について(案)」をとりまとめ、パブリックコメントを実施しています。
 案では、大気汚染防止法施行令を一部改正し、大気環境への飛散防止措置の対象となる建築物の解体作業、改造及び補修作業の規模要件等の限定を撤廃し、規制対象も現行の吹付けアスベストにアスベストを含有する保温材等を追加することとしています。また、大気汚染防止法施行規則を一部改正し、アスベストを含有する建築材料の種類や解体等の作業方法に応じた作業基準などを改定するとしています。
 →「建築物の解体等における石綿飛散防止対策の強化について(案)」

◇2005年11月29日
 アスベスト問題に関する関係閣僚による会合(第4回)が開催され、「石綿による健康被害の救済に関する法律(仮称)案大綱」が決められました。新法は「石綿による健康被害の特殊性にかんがみ、石綿による健康被害に係る被害者等の迅速な救済を図ること」を目的とし、アスベスト被害者に対して医療費、療養手当、葬祭料、特別遺族弔慰金の救済給付を行います。支給に要する費用等は「一定の要件に該当する事業主」から追加費用を徴収するとしています。金額は確定していないものの、工場周辺住民や従業員の家族に対して医療費の自己負担分と月額約10万円の療養手当を支給(死亡時約20万円の葬祭料を支給)。すでに死亡した被害者へは260万円が支給されることが検討されているようです。
 →「石綿による健康被害の救済に関する法律(仮称)案大綱」

◇2005年12月6日
 与党アスベスト対策プロジェクトチームは、アスベスト新法の法案大綱を了承するとともに、労災対象外の被害者の遺族への特別遺族弔慰金について280万円とすることを政府への要望事項としてまとめました。政府案よりも20万円を上積みされており、葬祭料20万円を加えると支給額は計300万円。

◇2005年12月21日
 大気汚染防止法施行令の一部改正(政令378号)、大気汚染防止法施行規則の一部改正(環境省令34号)が公布されました。施行令の一部改正では、(1)大気汚染防止法2条12項の特定建築材料として、アスベストを含有する断熱材等を追加(3条の3)、(2)法2条12項の特定粉じん排出等作業について、規模等の要件を撤廃(3条の4)―を定めた。施行規則の一部改正では、アスベストを含有する建築材料の種類や解体等の作業方法に応じた作業基準を改定するなどした。2006年3月1日施行予定。

◇2005年12月27日
 アスベスト問題に関する関係閣僚による会合(第5回)が開催されました。法規制の観点からまとめると次のとおりです。(1)「隙間のない健康被害者の救済」のために、「石綿による健康被害の救済に関する法律案」を2006年通常国会冒頭に提出、(2)既存施設での除去等を行う自治体の取り組み支援のために地方財政法を改正、(3)吹き付けアスベスト等の使用規制のために建築基準法を改正、(4)建築物解体時等の飛散防止のための規制拡充に向けて大気汚染防止法を改正、(5)アスベスト廃棄物の無害化の処理を推進するための廃棄物処理法を改正する。さらに、(6)石綿障害予防規則についても改正し、アスベスト取扱作業において、アスベストに関する専門的な技能講習を修了した作業主任者の設置を義務づける。
 →アスベスト問題に係る総合対策

◇2006年1月20日
アスベスト新法となる「石綿による健康被害の救済に関する法律案」と、大気汚染防止法等4法の改正である「石綿による健康等に係る被害の防止のための大気汚染防止法等の一部を改正する法律案」が閣議決定された。※公布済(下記◇2006年2月10日記事)

▽石綿による健康被害の救済に関する法律案
 →法案の概要等(環境省ホームページ)
 アスベストによる健康被害を受けた者及びその遺族のうち、既存の制度の枠組みで救済されない被害者を救済するための新たな法制度として、医療費等の給付を支給するための措置を講ずる。
▽石綿による健康等に係る被害の防止のための大気汚染防止法等の一部を改正する法律案
 →法案の概要等(環境省ホームページ)
(1)大気汚染防止法の一部改正
 アスベストを使用している工作物(工場のプラント等)について、解体等の作業時における飛散防止対策の実施を義務づける。
(2)地方財政法の一部改正
 地方公共団体が行う公共施設等に係るアスベストの除去に要する経費について、地方債の起債の特例対象とする。
(3)建築基準法の一部改正
 建築物における健康被害を防止するため、吹き付けアスベスト、アスベスト含有吹き付けロックウール等の使用を規制する。
(4)廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部改正
 今後大量に発生するアスベスト廃棄物について、溶融による無害化処理を促進・誘導するため、国の認定による特例制度を創設する。

◇2006年2月10日
アスベスト新法と関連4法改正が公布された。
 →新たに制定された法令の概要(環境省ホームページ)

◇2006年3月10日
アスベスト新法の施行日が2006年3月27日となった。また、同法の施行令と、環境省関係の施行規則が公布された。

◇2006年6月9日
廃棄物処理法施行令や同施行規則の改正案が発表。具体的には、特別管理産業廃棄物である「廃石綿等」の対象範囲の拡大・明確化、石綿含有一般・産業廃棄物及び廃石綿等の処理基準の改正、無害化処理認定制度、廃石綿等又は石綿含有産業廃棄物の溶融施設、石綿含有産業廃棄物の保管基準(通常の保管基準に加え、保管場所においてその他の物と混合することがないこと及び覆い、梱包等の飛散防止措置を講じること)、石綿含有廃棄物等に関する情報の伝達(帳簿、マニフェスト及び委託契約書に石綿含有産業廃棄物が含まれる旨を記載等)について改正。施行日は、2006年10月1日予定。なお、マニフェストに関する知事への報告書提出義務の適用の猶予を2008年4月1日までとする等の経過措置がある。※公布済(下記◇2006年7月26日記事)

 →改正案の概要(環境省ホームページ)

◇2006年6月26日(1)
建築物の解体等におけるアスベスト飛散防止対策を「建築物」から「建築物その他工作物」へ拡大するために、大気汚染防止法施行令等の改正案が発表。大気汚染防止法施行令の一部改正では、特定建築材料(吹付け石綿、石綿を含有する断熱材、保温材又は耐火被覆材)の除去等を伴う解体、改造及び補修作業において、規制対象となる「建築物」を「建築物その他工作物」へ拡大。関連規定を整備するために、同施行規則の一部改正も行う。施行日は、2006年10月1日予定。※公布済(下記◇2006年8月11日記事)

 →改正案の概要(環境省ホームページ)

◇2006年6月26日(2)
労働安全衛生法施行令と石綿障害予防規則を改正する。前者では、アスベストの製造等を禁止し(ただし、既存の化学工業等の設備の接合部分に使用するガスケット・パッキンは一定条件下で製造等を認める)、規制対象範囲を拡大する(規制対象の石綿含有物の含有率を1%から0.1%へ)。後者では、吹き付けアスベストの封じ込めや囲い込み作業、天井裏やエレベーターの昇降路等での臨時、使用された工具等の付着物の除去について、実態を踏まえて規制対策を充実する。2006年9月1日施行予定(経過措置あり)。※公布済(下記◇2006年8月2日記事)

 →改正案の概要(パブリックコメントのページ)

◇2006年7月26日
廃棄物処理法施行令や同施行規則の改正(上記◇2006年6月9日記事)が公布された。

◇2006年8月2日
労働安全衛生法施行令と石綿障害予防規則の改正(上記◇2006年6月26日(2)記事)が公布された。9月1日施行。

◇2006年8月11日
大気汚染防止法施行令等の改正(上記◇2006年6月26日(1)記事)が公布された。10月1日施行。

 →改正の概要(環境省ホームページ)


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