建築物の解体等における石綿飛散防止対策の強化について(案)
−アスベスト規制強化のための大気汚染防止法施行令・施行規則の一部改正の考え方−
[資料]2005.11環境省水・大気環境局大気環境課
※抜粋


3.規制の強化についての考え方

(1)規模要件等の撤廃

ア.延べ面積
 施行令第3条の4第1号の「延べ面積が500 u以上のもの」という要件については、規制強化を図るとともに、労働安全衛生法(以下「労安法」という。)及び石綿障害予防規則(以下「石綿則」という。)(規模要件はない)との整合性を図るために、撤廃することが適当である。

イ.特定建築材料の使用面積の合計
 施行令第3条の4第1号及び第2号の「特定建築材料の使用面積の合計が50 u以上であるもの」という要件については、規制強化を図るとともに、労安法及び石綿則(規模要件はない)との整合性を図るために撤廃することが適当である。

ウ.建築物
 施行令第3条の4第1号及び第2号の「特定耐火建築物等」(建築基準法に規定する耐火建築物又は準耐火建築物)という限定については、規制強化を図るとともに、労安法及び石綿則との整合性を図るためにこの限定を撤廃し、単に「建築物」とすることが適当と考える。これにより一般の家屋も対象となるが、吹付け石綿は一般の家屋ではほとんど使用されていないので、対象となるのはわずかであると考えられる。

エ.特定建築材料
 施行令第3条の3の「特定建築材料」については、以下により見直し等を行うことが適当である。
@ 石綿含有吹付け材
 現行では単に「吹付け石綿」となっている。一方、労安法第88 条第4項の届出においては、石綿の重量が当該製品の重量の1%を超える吹付けが対象となっており、これとの整合性を検討する。
A 石綿含有保温材、石綿含有耐火被覆材、石綿含有断熱材
 これらの建築材料は、解体等に当たって機械による破砕等が行われた場合には、石綿含有吹付け材と同じような飛散が生じるとされていること、及び既に石綿則第5条の届出の対象となっており、これとの整合性を図ることから、対象に加えて規制を強化する。
B その他の石綿含有成形板
 上記@及びA以外に石綿を含有する建築材料である石綿含有成形板等については、石綿含有吹付け材や石綿含有保温材、石綿含有耐火被覆材、石綿含有断熱材に比べると解体時等における飛散の程度は少ないものと考えられるため、特定建築材料には含めない。

(2)作業基準の改定
 上記(1)の規模要件の撤廃、建築物の限定の撤廃及び特定建築材料の見直しを受けて、作業基準を改定する必要がある。

ア.石綿含有吹付け材についての作業基準
 石綿含有吹付け材については、現行の作業基準によることが適当と考える。なお、現行のエアフィルタについては、実態を踏まえて「日本工業規格Z8122 に規定するHEPA フィルタ」に改めるべきである。

イ.石綿含有保温材、石綿含有耐火被覆材、石綿含有断熱材についての作業基準
 これらの特定建築材料については、除去等の作業の方法に応じて作業基準を設けることが適当である。
@ 特定建築材料を掻き落とし、破砕、切断により除去する場合
 上記アの作業基準によることが適当である(「石綿含有吹付け材」を「石綿含有保温材、石綿含有耐火被覆材、石綿含有断熱材」とする。)。
 なお、グローブバックによる方法等も適用可能とする。
A 特定建築材料の掻き落としや破砕、切断は行わず、特定建築材料の除去等を行う場合
 表2に示す作業基準によることとする(解体作業のうち、あらかじめ特定建築材料を除去することが著しく困難な作業は従来どおり)。

表2 石綿含有保温材、石綿含有耐火被覆材、石綿含有断熱材についての作業基準(特定建築材料の掻き落としや破砕、切断を行わずに特定建築材料の除去等を行う場合)
作業  内容
解体作業 下記の事項を遵守して特定建築材料を除去するか、又はこれと同等以上の効果を有する措置を講じること。
@作業を実施する部分の床面等の必要な部分に養生を行う。
A除去する特定建築材料を薬液等により湿潤化する。
B特定建築材料の除去後、作業場の養生を解くに当たって、除去した部分に石綿の飛散を抑制するための薬液等を散布し、作業場内の特定粉じんを処理する。
改造・補修作業 下記の事項を遵守して、特定建築材料を除去、囲い込み、封じ込めを行うか、これらと同等以上の効果を有する措置を講じる。
@除去する場合には1の@〜Bの事項を遵守する。
A囲い込み、封じ込めの場合には、特定建築材料の劣化状態及び下地との接着状態を確認し、劣化が著しい場合、又は下地との接着が不良な場合には、その特定建築材料を除去する。

(3)解体等の作業に係る掲示

 建築物の解体等作業に際して、実施内容等を周辺住民から見やすい箇所に掲示すべきことが、厚生労働省及び環境省の通知により行われている。この掲示については、周辺住民の不安を払拭させるなどの意義が認められることから、作業基準等において位置付けることが望ましい。


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