東京都、地球温暖化対策制度と建築物環境計画書制度の規制強化へ
−制度骨子案を公表、2008年度環境確保条例改正へ


 2007年10月、東京都が、環境確保条例で定めていた「地球温暖化対策計画書制度」と、「建築物環境計画書制度」の2つの制度について、規制を強化する骨子案を公表した。

 地球温暖化対策計画書制度の強化策とは?
 「地球温暖化対策計画書制度」の強化策では、従来あった計画書や報告書の提出・公表の義務に加えて、対象事業所に対して新たに削減義務を課す。基準年度を設けて、基準排出量を定めて、そこからの削減義務水準を示す。削減義務水準は、(1)削減対策の実施による削減余地等、(2)都の温暖化ガス削減目標(2020 年までに2000 年比マイナス25%)の達成−の視点から定める。なお、対策がトップレベルの事業所には、削減義務水準について一定の配慮を行うという。
 新制度の計画期間は、開始年度2010年度を予定し、5年間程度の計画期間を設ける。第一計画期間を2010〜2014 年度、第二計画期間を2015〜2019 年度などとする予定だ。
 対象事業所は、温暖化ガスの排出量が相当程度大きい事業所(燃料、熱及び電気の使用量が、原油換算で年間1500キロリットル以上)。ビルオーナーに対して削減対策への協力義務を設けるなど、対象事業所内のテナント事業者への規制も検討する。

 建築物環境計画書制度の強化策とは?
 一方、「建築物環境計画書制度」の強化策では、制度の対象を拡大する。現行要件を引き下げ、中規模建築物の新築・増築時についても、建築主に建築物環境計画書の提出を求める。具体的な要件は今後詰めるという。
 マンション環境性能表示の義務づけも対象を拡大する。対象建築物の要件を引き下げ、中規模マンションにまで対象を拡大するとともに、従来の分譲マンション加え、賃貸マンションも対象とする。これらマンションの新築・増築を行う建築主は、マンション環境性能表示を広告で表示しなければならない。
 また、建築物の新築・増築(対象拡大分を含む)を行う建築主に対して、再生可能エネルギーの導入を検討するよう促す措置を新たに設ける。これら建築主は、再生可能エネルギーの導入について都が定める検討プロセスにしたがって検討を行うことを義務づけ、都は、建築主の検討結果(検討プロセス)を公表する。
 さらに、新たに、「省エネルギー性能証書(仮称)制度」を創設する。建築物環境計画書をもとに都の定める指針に従って、建築主が建築物の省エネルギー性能を記載した書面(省エネルギー性能証書(仮称))を作成し、その建築物の売買、賃貸借の取引時に相手方への提示を義務づける。対象建築主は、延床面積10,000u超の建築物のうち住宅用途以外の建築物の新築・増築を行う建築主を予定している。

 都では、これら2つの規制強化策の詳細を2007年度中に詰め、2008年度に環境確保条例の改正を行う予定という。


資料:地球温暖化対策計画書制度強化の基本的な考え方

1 総量削減を確実に達成するしくみ
(1) 削減対策の実施に加え、温暖化ガス排出総量の削減を求める。
(2) 削減義務を達成する手段は、事業者が自主的に選択
(3) 効果的な削減対策事例を示すなど、都が事業者の削減対策を支援
(4) 経営者、設備担当者、テナント事業者等が一丸となって削減に取り組む基盤を整備
(5) 制度の実効性を確保する措置も用意

2 取組の優れた事業者が評価されるしくみ
(1) 削減義務の履行に、これまでの総量削減の実績を反映
(2) 高効率機器を導入するとともに、高度な運用対策を実施しているトップレベルの事業所には、削減義務水準について一定の配慮
(3) 事業者の取組が社会的・経済的に評価されるように、大規模事業所の取組をわかりやすく公表

3 実質的な排出量削減を可能とする排出量取引のしくみ
(1) 義務の履行に当たっては、事業所自らの削減を基本とし、それを補完するものとして、他の大規模事業所における削減量や、中小規模事業所での削減量、グリーン電力証書の購入など、多様な取引対象が選択可能
(2) 排出量取引を通じての削減義務の履行は、認証された削減量のみとすることで、確実な総量削減をめざす。
(3) 削減量認証ルールの設定など、排出量取引制度を円滑に運用するしくみを整備

4 東京の都市の活力を高め長期的な成長を可能とするしくみ
(1) 事業所への省エネ技術、再生可能エネルギーの導入を促進することにより、環境技術、環境ビジネスを発展させる。
(2) 都市開発に際しては、環境性の高い建築物を積極的に評価
(3) 中期的に必要な削減レベルを示し、計画的な省エネ設備投資の実施を可能とする。

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